丹沢山地の東方にあたる神奈川県唯一の村。清川村煤ケ谷(すすがや)地区の民家に、絶滅したとされるニホンオオカミの頭骨4体と前脚の骨1体がそれぞれ保存されていたことが確認された。「山の神」としてニホンオオカミをまつる武蔵御嶽(みたけ)神社(東京都青梅市)の依頼で同村文化財保護委員長の飯塚利行さんが調査した結果わかった。11月6日、相模原市で開かれる「相模国霊場研究会」で発表される。
「清川村は日本国内で最もニホンオオカミの骨が密集した地域ではないか。保存状態も極めて良好だ」
飯塚さんはそう話す。
きっかけは、武蔵御嶽神社へ参拝する「御嶽講(こう)」の関係者を通じ、平塚市の住民がオオカミの頭骨を神社に寄贈したことだ。その際、かつてこの頭骨を調査した小原巌・元国立科学博物館科学教育室長の論文などが見つかった。骨はもともと、清川村の民家で大切に保存されていたものだったという。
今年は12年に1度の武蔵御嶽神社の「大口真神(おおくちまがみ)式年祭」(4月15日~5月21日)開催年にあたる。大口真神とはニホンオオカミの尊称。神社は、清川村の関係者に、骨がこのほかに家の中に保存されているかどうか調査を依頼した。
ニホンオオカミは「神の使い」?
飯塚さんによると、県立生命…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル